お米の関税は700%なのか?
日本の輸入米に対する関税制度
1. 最低輸入義務(Minimum Access, MA)枠内の輸入
日本はWTOの合意に基づき、年間約77万トンの米を無税で輸入する義務があります。この枠内の輸入米は、主に加工用や業務用として使用され、主な供給国は以下の通りです。
・アメリカ:60%程度
・オーストラリア
・タイ
・台湾
2. MA枠外の輸入(高関税の適用)
MA枠を超える輸入には、非常に高い関税が課されます。具体的には、1キログラムあたり341円の関税が設定されています。これが国際価格に対して約700%に相当すると言われています。
700%になるためには、
関税341円/外国のお米の価格=7なので、外国のお米の価格=341円/7=49円
つまり1キロで約50円のお米だと700%の関税となります。
なお、この高関税は、国内の米農家を保護するための措置であり、実際には枠外での輸入はごくわずかにとどまっています。例年、枠外での輸入量は0.1~0.2千トン程度とされています。
こんなに関税が高いと各国は輸出しないですね。少ないはずです。
3.外国のお米の価格
少し調べたところ白米で1キロで以下のような価格でした(2024年末時点)。1ドル150円で換算してみました。
・バングラデッシュ:0.62ドル(約93円)→関税341円/93=約367%
・エジプト:0.78ドル(約117円) →341/117=約291%
・パキスタン:0.81ドル(約122円) →341/122=約280%
・インド:0.85ドル(約128円) →341/128=約213%
・アメリカ:1.52ドル(約230円) →341/230=約148%
700%まではいかないですが、かなりの高関税ですね。
4.提案
日本ではたしか最近は年間約700万トンのお米が主食として消費されていると思います。77万トンのMA枠では少ないと思います。数百万トンレベルまでMA枠を広げて欲しいと思います。
また、枠外であっても1キロ341円の関税はやはり高すぎると思います。減反政策し、関税を高くして日本の米農家を守るというのは矛盾していると思います。もう減反政策はしていないかもしれませんが、生産性をあげて、もっとたくさんの米を安価につくり、美味しい米として海外にどんどん輸出すべきではないでしょうか?
そして、MA枠外であっても関税はもっと下げるべきだと思います。